家具の配置をする前に押さえておきたいポイントと失敗を避ける方法
引越しの際や、模様替えの際、悩んでしまう方が多いのが家具の配置についてです。
「配置を間違って使いにくくなった」など、失敗した経験がある方もいるのではないでしょうか。そこで、家具の配置で失敗したくない方のために、押さえておきたいポイントを紹介します。
この記事を読むことによって家具をうまく配置するにはどうすれば良いのか、どういったことに注意して配置を検討していけば良いかがわかるので、参考にしてみてください。
家具をうまく配置するためのコツ
家具をうまく配置するためには、動線と視線を意識し、空間にメリハリをつけることが重要です。それぞれ解説します。
コツ①動線を意識する
特に良く考えておきたいのが動線です。家具を配置した結果、生活しづらいと感じるようになってしまった場合、動線に問題があると考えられます。
動線とは人が通るためのスペースのことなので、動線上に家具を配置しないように気を付けましょう。
まずは、どの家具をどこに置くのか簡単に考えてみましょう。
続いて、部屋の中をどのように移動するのかイメージします。動線をふさいでいる家具がある場合は、移動が必要です。
場合によっては、動線を確保して生活しやすい空間を目指すために家具を一回り小さいものにしたほうが良いケースもあります。
注意点として、実際の家具のサイズを正確にイメージしたうえで動線を検討しなければなりません。
「テーブルはこれくらいだから」と考えたサイズが実際のサイズとズレていると、動線を意識しても失敗しやすくなってしまいます。
新聞紙などで実際の家具の大きさを再現し、配置してみるのがおすすめです。
コツ②視線を意識する
家具の配置を検討する際は、視線も考えましょう。これは、家具を配置した際、どのように見えるかに関することです。
例えば、座って過ごすスペースのすぐ近くに背の高い家具を配置してしまった場合、圧迫感があります。部屋が狭く感じてしまう原因にもなります。
ですが、遠くに背の高い家具を置けば遠近感によって部屋を広く見せることが可能です。基本的に部屋の中心には背の低い家具を設置するようにしましょう。
コツ③空間にメリハリをつける
家具を配置する際、空間にメリハリをつけることを意識しましょう。全体的に同じ高さ、色合いの家具をそろえてしまうと、部屋の中がぼやけた印象になってしまいます。家具を置かないスペースを作り、余白で抜け感を持たせるのも一つの方法です。
また、空間を区切ることによってメリハリを出すこともできます。
パーテーションを設置したり、天井から布を垂らしたりするのも良いでしょう。空間を分けるようにしてソファなどを設置するのも効果的です。
家具の配置でやってはいけないこと
家具の配置で失敗するのを避けるためには、やってはいけないことを確認しておきましょう。以下の4点に注意が必要です。
①部屋のサイズに合っていない家具を置く
家具は部屋のサイズに合わせて選ぶことが重要です。お気に入りの家具を見つけてサイズをよく確認しないまま購入してしまうと、生活空間が圧迫された、予定していた場所に入らなかったなどの失敗につながりやすくなってしまいます。
特に通販などで購入するとサイズ感がわからず失敗してしまうことが多いので、注意しましょう。
暮らしやすさのことを考えると、少し小さめの家具を選択しておくと空間を広く使えるようになります。
中には、事前にサイズをよく確認していたのに失敗してしまった方もいるようです。
その原因として挙げられるのが、家具のサイズのみを考慮し、動線を意識していないことが挙げられます。
例えば、12畳のリビングに家具を配置する場合、家具を設置した上で動線にどれくらいのスペースを必要とするのかも検討しましょう。家具を配置した結果動線が非常に狭くなってしまった場合、生活しにくいと感じます。
②風上に悪臭がするものを置く
部屋の中に臭いがするものを置く場合は、置き場所に注意が必要です。例えば、風上にペットのトイレやごみ箱などを置いてしまった場合、風に乗って部屋の中に嫌な臭いが広がってしまいます。
家具の配置を決定する前に、部屋の中の風の流れを確認しておきましょう。ティッシュペーパーを広げて端を持ち、どのように動くか確認すれば風の流れがわかります。
嫌な臭いがするものは風下に置きましょう。反対に、芳香剤など良い香りがするものは風上に置くことによって部屋全体に良い香りが広がります。
③動線上に家具を置く
動線上に家具を置いてしまうのもよくある失敗です。動線上に家具があると毎回よけて通らなければならず、ストレスにもなります。
実際に暮らし始めたあとのことを考えてみましょう。
例えば、テーブルと椅子を設置する場合、椅子をテーブルに収納した状態で動線を考えると失敗しやすくなります。実際に生活している時は椅子を引いた状態で使うので、そこは動線として確保できません。
椅子を引いた状態で十分な動線が確保できるようにしましょう。
一つの目安として、人が通るためには最低でも60cmの幅が必要であり、すれ違うには110cm以上必要とされています。椅子に座っている人の後ろを通る場合は95cm以上確保しておきましょう。
これはギリギリの数時とも言えるので、余裕を持ちたい場合はさらにゆとりを持った空間の設計が必要です。
④すき間なく家具を詰め込む
すき間なく家具を詰め込むと、窮屈な印象になります。事前にシミュレーションをする際も「この配置なら何とかギリギリ収まりそう」と考えて詰め込むのはよくありません。
空間にゆとりを持ったほうが暮らしやすい部屋になります。
部屋を広く見せる家具の配置方法
広い部屋でも家具の配置を間違えれば狭くなりますし、狭い部屋でも配置を工夫することで広く見せることが可能です。部屋を広く見せるためのポイントは以下の通りです。
①大きめの家具は壁に寄せる
大きめの家具は圧迫感があるため、壁際に寄せるのがおすすめです。基本的に、部屋の中心は何も置かないか、背の低い家具を設置しましょう。
部屋が狭い場合、大きめの家具はできるだけ避けるのもポイントです。全体的に背の低い家具で統一することにより、圧迫感がなくなり、部屋が広く見えるようになります。
②部屋の対角に視線を集中させる
部屋の体格はフォーカルポイントになるように意識してみるのがおすすめです。フォーカルポイントとは、部屋の中でも視線が集中しやすい場所のことをいいます。
フォーカルポイントにこだわりのインテリアや家具を設置するとアクセントになり、部屋をオシャレに見せることも可能です。
観葉植物や絵画、フロアスタンドなどを設置してフォーカルポイントをつくる方法もあります。
③テレビとソファの位置を考える
部屋の中でも存在感が出やすいのが、テレビとソファです。これらの配置を検討することによって、広く感じられて生活しやすい空間を目指せます。
テレビは配線の関係もあり、自由に場所を移動するのが難しいケースも多いでしょう。そのため、先にテレビをどこに設置するのか検討してみるのがおすすめです。
配置場所を大きく変えるのは難しかったとしても、向きを変えることはできます。テレビを少しだけ移動させ、ソファの向きも変えることによって空間に余裕を出すことも可能です。
④ダイニングテーブルやソファは壁に寄せる
大きめの家具と同様に、ダイニングテーブルやソファも壁に寄せましょう。ダイニングテーブルは、その周辺を通れるように動線を確保しているケースが多いです。
その動線が適切なのであれば良いのですが、ほとんど通らない部分がある場合は、テーブルを壁に寄せることによって必要な動線が減り、スペースに余裕が生まれます。
また、ソファは空間の中央に置いている方も多いのではないでしょうか。ですが、壁際に背をつけて設置することで圧迫感を抑えることが可能です。
関連記事:ダイニングテーブルのサイズの選び方
⑤家事の動線を考慮する
生活する際の動線だけではなく、家事の動線についても検討が必要です。例えば、頻繁に使っている家具同士の距離が空いている場合、それらを近づけることによって移動距離が短くなり、快適に過ごしやすくなります。
家具の配置が苦手な方におすすめの方法
家具の配置が苦手な方にぜひとも活用をおすすめしたいのが、家具配置のシミュレーションアプリです。手軽に利用できることに加え、具体的なイメージが湧きやすくなります。
失敗を避けるためにも活用しましょう。
ここでは、おすすめの家具配置のシミュレーションアプリを5つ紹介します。無料で利用できるアプリが多いですが、有料版を利用することによって使える機能が増えます。
①ルームプランナー
IKEAやニトリで実際に販売されている家具を設置してシミュレーション可能なアプリです。3Dと2Dの両方に対応しています。
機能によっては有料となりますが、基本的な機能は無料で提供されているので、まずは無料で試してみると良いでしょう。
部屋サイズの指定などは有料版での提供となっています。パソコンのほか、スマホからでも利用できるので、外出先の空き時間などを活用してシミュレーションもできます。
②Planner 5D
3D家具配置シミュレーションアプリであり、操作性にも優れています。アマチュア向けに作成されていることから細かい説明を読むことなく感覚で利用できるので、手軽に使えるアプリを探している方に向いているでしょう。
2Dモードでレイアウトを設計し、3Dモードに切り替えて細かく編集することも可能です。
アイテムカタログは5,000点以上です。コミュニティでは他ユーザーが作ったシミュレーションも確認できます。
③Roomle 3D&AR
ボタンを押すだけで壁や床の色を変えられるなど、操作のしやすさにもこだわっています。作成したシミュレーションはVRで確認することも可能です。よりリアルに家具の配置などを検討できるでしょう。
部屋の間取りや家具の配置は自由に行えます。2,000点を超えるアイテムが登録されています。
④RoomCo AR
まるで服を試着するようにインテリアを試着することを目的として開発されたアプリです。20以上のブランドから販売されているインテリア商品の実物大3D データが登録されています。気にいった家具はそのまま購入可能です。
シンプルな操作で利用できるので、使い方が難しいものは避けたいと考えている方にも向いているでしょう。
⑤Live Home 3D
登録されている部屋のテンプレートから簡単にシミュレーションできるのが特徴的なアプリです。ゼロから作る必要がないため、配置を考えるのが苦手な方にも向いているでしょう。
登録されている家具の中には和風のものから海外デザインのものもあるので、幅広くイメージできます。2Dと3Dの両方から作成した間取りを確認可能です。
家具配置シミュレーションの利用におすすめのタイミング
家具配置のシミュレーションアプリについて紹介しましたが、これらはどういったタイミングで使用するべきなのでしょうか。
基本的には、新たに家具を設置するときや、模様替えをするタイミングです。引越しをする場合、新居の広さを計っておき、事前に家具の配置について十分なシミュレーションをしておくと良いでしょう。
引越しに合わせて新しく家具を購入したものの、設置したら圧迫感が出てしまったといったトラブルも防ぎやすくなります。
また、模様替えについても同様で、事前にシミュレーションをしておかないと、いざ家具を設置し終わってから「何となくイメージと違う」といった状況になってしまうことがあります。
家具の新規購入や配置に関する失敗を防ぐためにも、事前にシミュレーションアプリを活用しましょう。
きちんと確認しておけば失敗は防げる
いかがだったでしょうか。家具の配置について押さえておきたいポイントを紹介しました。どういったことに注意すべきかご理解いただけたかと思います。
実際に家具を配置してから失敗に気づくと再度配置を考えなければならないので、事前に良く確認が必要です。
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