家具の色の選び方で押さえておきたいポイントを紹介
「配色から考える家具の色の選び方とは?」
「家具の色の心理効果が知りたい」
「家具の色を選ぶときに押さえておきたいポイントは?」
毎日目にする物だからこそ、ときには機能以上にこだわるべき家具の色。
本記事では、家具の色の選び方に関する冒頭の疑問について、詳しく解説していきます。
家族で過ごす家のレイアウトに悩んでいる方、家具の新調を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
家具の色にこだわったほうがよい理由
家具の色にこだわることは、室内の雰囲気をより良くするために重要な要素です。
統一感のある色合いを選ぶことで、部屋全体の調和が生まれ、より魅力的な空間になります。
たとえば、家具の色を統一することで部屋が一体感を持ちます。
同じ色調の家具を配置することで、全体的なバランスが保たれ、調和された雰囲気が生まれるでしょう。
部屋全体が統一された印象は、より広々とした空間に見せる効果もあります。
また、家具の色は壁紙や床などのインテリアとも関連しています。
たとえば、明るい家具を選ぶことで、壁紙や床まで明るく開放的に感じさせることができます。
家具の色にも気を配ることで、統一感や調和を生み出し、より魅力的で広々とした室内の雰囲気を作り出しましょう。
家具の色の心理効果
次に、家具の色の心理効果を解説していきます。
ここではとくにメジャーな以下の7つの色を見ていきましょう。
- 赤色
- 青色
- 黄色
- 緑色
- 茶色
- 無彩色(白・黒・グレー)
それぞれ確認してください。
赤色
赤色は時間感覚を早める色です。
赤い空間に30〜40分しかおらずとも、1時間いるような感覚になるとされています。
また、食欲色でもあり、ファミレスのイメージカラーに赤が多いのはこれが理由です。
赤色は紫外線の隣に位置する色であり、波長が大きいため筋肉の興奮効果があることも知られています。
そのため、赤い部屋は青い部屋と比べて暖かく、その体感温度は3度ともいわれています。
寒い地域に住んでいる場合は、赤い家具を効果的に取り入れると良いでしょう。
青色
青色は赤色とは逆に時間感覚を遅らせる色です。
青い空間に1時間いても、30〜40分しか経っていないような感覚になるとされています。
また、食欲を削ぐ色でもあるため、ダイエットに最適かもしれません。
ゆったりとした時間を過ごしたい方にももちろんおすすめです。
くわえて、青は緊張を弛緩させることや血圧・脈拍・呼吸数を下げることが科学的にも明らかになっており、リラックスできる色でもあります。
黄色
黄色は幼さを与える色であると同時に、踏切や幼稚園児の帽子に見られるように「危険防止」の象徴でもあります。
この両面から考えれば「注目を集める」が黄色の機能といえるでしょう。
また、色相心理学において、黄色は明るさやユーモア、楽しさを引き出すともいわれており、幸せや希望の象徴と見られることも多々あります。
映画『幸せの黄色いハンカチ』からもそれがよくわかります。
部屋全体に採用するには目に強い色ですが、家具として取り入れる分には「幸せ」が呼び込めるかもしれません。
緑色
緑色は血圧や脈拍を安定させる効果があり、心理状況を安定させたり心にゆとりを持たせたりできる色です。
ロンドンのテムズ川にかかるブラックフライアブリッジは、かつてその名の通り黒色でした。
自殺の名所であったその橋は、その後、全面を緑色に塗り替えられ、自殺者は1/3に減っています。
自然の草木と同じ色である緑色は、しばしば再生の象徴にもされることから、青色とはまた違ったリラックス効果が得られるかもしれません。
桃色
桃色は、子宮内壁の色です。
独特な表現ですが、実は母の胎内にいたときの安心感や心地よさを細胞が無意識にインプットしているといわれています。
いわば安心感の色であり、アメリカの刑務所では壁を桃色に塗ることで囚人がおとなしくなったという実例が。
実際、現代のスイスの刑務所では「クールダウンピンクプロジェクト」として、今なお活用されています。
安心感や穏やかさを家具から得たい方は、桃色の家具を検討してみてください。
茶色
茶色は大樹や木の根の色であり、生命の源である土の色です。
人の心理を落ち着け、そして包容する色といわれています。
赤・青・黄ほど色としてメジャーではないにもかかわらず、必ずといっても良いほど家具に採用されている理由はここにあります。
また、堅実な色というイメージもあり、こつこつと一歩ずつ踏みしめる生活を望む方におすすめです。
無彩色(白・黒・グレー)
白は純潔や完璧を、黒は強い信念を表します。
両者ともに強固なイメージですが、その性質は真反対。
白は膨張色であるため大きく見え、黒は収縮色であるため引き締まって見えます。
また、黒は他の色を際立たせる効果もあり、高級ジュエリーの背景に多く使われます。
グレーは白と黒の中間色で、一気に「曖昧・控えめ」といった印象へ変わります。
明度によって大きく印象が異なることから、グレーを採用する際は「白と黒、どちらのエッセンスを入れたいか」という視点で見るのも面白いかもしれません。
配色から考える家具の色の選び方
ここからは、配色から考える家具の色の選び方を紹介していきます。
ここでは以下の3つに分けて、それぞれ何色を取り入れるとどのような印象になるのかを解説します。
- ベースカラー
- メインカラー
- アクセントカラー
それぞれ見ていきましょう。
ベースカラー
ベースカラーは部屋の基本となる色であり、壁や床、天井などの大部分を占めます。
そのため、部屋の印象を決定する最重要要素です。
クリーム色やベージュなどの落ち着いた色が一般的であり、コーディネートの幅も広がります。
一方で、目立つ色を選ぶと他の要素との調和に制約が生じるため、ベースカラーには控えめな色を選ぶことが一般的です。
また、暗い色(ブラックや茶色など)は部屋の圧迫感を増加させ、部屋全体が狭く感じられることがあります。
逆に明るい色(白やベージュ)は部屋全体を広く見せる効果があり、さまざまなインテリアとの相性も良くおすすめです。
ただし、ベースカラーとメインカラーやアクセントカラーのバランスを考えることが重要なため、総合的に配色を決めていきましょう。
ベースカラーの選択は、部屋の空間を最大限に活かし、快適な雰囲気を作り出すために重要な要素となります。
メインカラー
メインカラーは、ソファーやカーテン、収納家具など、部屋の主要な要素の色を指します。
ベースカラーに次いで表面積が大きく、部屋全体の約25%を占めます。
大きな家具と他の家具の配色バランスを考慮することが重要です。
メインカラーを選ぶ際には、鮮やかすぎない色を選ぶことがポイントです。
あまりにも派手な色をメインにすると、他の要素とのバランスが崩れてしまうことがあります。
しっかりと落ち着いた色合いを選ぶことで、アクセントカラーとの調和も取りやすくなります。
カラフルな配色を実現したい場合は、単色を中心にして他の色をアクセントとして取り入れると良いでしょう。
複数の配色を組み合わせる場合は、上級者向けのコーディネートとなるため、注意が必要です。
適切なメインカラーの選択は、部屋全体のバランスを整え、より魅力的なインテリアを作り出す重要な要素です。
アクセントカラー
アクセントカラーは、その名の通り部屋のアクセントとして使われる色です。
表面積では少ししか占めませんが、部屋にメリハリを与える効果があります。
アクセントカラーは、いつでも簡単に雰囲気を変えられる点が強みです。
インテリア雑貨や観葉植物、食器など、取り替えやすいアイテムにアクセントカラーを使うと良いでしょう。
また、アクセントカラーは全体のバランスに影響を与えにくく、配色数の制限もありません。
そのため、個性的なデザインを楽しむことができます。
ベースカラーやメインカラーではなかなか実現できないようなデザインにも対応できるでしょう。
アクセントカラーは小さな変化でも部屋の雰囲気を一新することができるため、手軽な部屋のアップデートもできます。
そのため、季節の変わり目や人生の節目など、気分を変えたいときにもアクセントカラーはおすすめです。
アイテムの取り替えや配置の変更といった簡単な作業で実現できるアクセントカラーを取り入れて、ぜひ部屋の個性を際立たせてみてください。
家具の色を選ぶときに押さえておきたいポイント
最後に、家具の色を選ぶときに押さえておきたいポイントを紹介して終わります。
ここでは、以下の4点について解説していきます。
- 1部屋に使う色は3色までにする
- 床の色に合わせる
- 素材の特徴を活かす
- 自分が求めるスタイルに合った家具を選ぶ
それぞれ見ていきましょう。
1部屋に使う色は3色までにする
家具の色を選ぶ際に押さえておきたいポイントのひとつは、1部屋に使う色を3色までに絞ることです。
その理由は、配色の調和を保つため。
色の組み合わせが多すぎると、部屋全体が混乱してしまい、目が疲れる可能性があります。
また、色の選び方に迷ってしまい、結果としてバランスの悪いインテリアになってしまうこともあります。
3色までに絞ることで、色のバランスを取りやすくなるでしょう。
たとえば、ベースカラーの落ち着いた色、メインカラーの目立つ色、そしてアクセントカラーの強調色などを選ぶとまとまります。
しかし、3色といっても、完全に固定された数ではありません。
場合によっては、2色の配色や、さらに1色追加するなどの変化も要検討。
重要なのは、色の組み合わせにおいて、調和やバランスを重視しながら、自分のセンスや好みに合わせて選ぶことです。
色の組み合わせは個々の好みや部屋の雰囲気によって変わるため、自由度が高い一方で、コーディネートの難しさもあります。
事前に色の組み合わせを慎重に考え、模様替えの際にも意識して選ぶことで、理想的な部屋のインテリアを実現できるでしょう。
床の色に合わせる
床の色に合わせることも、家具の色を選ぶ際に押さえておきたいポイントのひとつです。
床は部屋の基盤となる要素であり、その色合いが部屋全体の雰囲気を大きく左右します。
そのため、家具の色を床の色に合わせることで、調和の取れた統一感のあるインテリアを実現できます。
床が明るい色であれば、明るめの家具カラーを選ぶのがおすすめです。
一体感が生まれ、部屋も広く感じることでしょう。
逆に床が暗い色であれば、濃い色の家具を選んでアクセントを出すことができます。
また、床の素材も考慮しましょう。
木目がある床には木製の家具や暖色系の色合いが相性が良く、冷たい質感の床にはスチールやガラス素材の家具が合います。
ぜひ、床の色を考慮しながら家具の色を選んでみてください。
素材の特徴を活かす
家具の色を選ぶ際に押さえておきたいポイントのひとつは、素材の特徴を活かすことです。
家具の素材は、木材、金属、ガラス、布地などさまざまなものがあります。
それぞれの素材は、特有の質感や風合いを持っています。
たとえば、木材の場合、ナチュラルな風合いや木目が特徴です。
このような素材は、自然な雰囲気を演出するため、暖かみのある色合いを選ぶと相性が良いでしょう。
金属素材の場合、クールでモダンな印象があります。
シルバー、ゴールド、ブラックなどのモノトーンな色合いが似合います。
また、ガラス素材は透明感があり、さりげない輝きを与えます。
こちらもモノトーンな色合いやクリアな色を選ぶと素材の特徴が引き立ちます。
布地の場合も、素材の特徴を考慮して色を選ぶことが重要です。
柔らかい質感や光沢がある場合は、明るい色や淡い色を選ぶと、柔らかさや上品さが引き立ちます。
素材の特徴を活かすためには、色の選択だけでなく、家具全体のデザインやインテリアのスタイルも考慮していくことが大切です。
素材の特性に対する意識を持ちながら、バランスの取れた魅力的な空間を演出しましょう。
自分が求めるスタイルに合った家具を選ぶ
自分が求めるスタイルに合った家具を選ぶというポイントも、家具の色を選ぶ際に重要な要素です。
家具は、個々人のスタイルや好みに合わせて選ばれるべきです。
どんなインテリアスタイルが好きか、自分が追求したい雰囲気やテーマは何かを考えましょう。
たとえば、モダンなスタイルを好む場合、シンプルでミニマルなデザインの家具が似合います。
モノトーンやネイビーなどのクールな色合いを選ぶことで、モダンな雰囲気を演出できます。
一方で、クラシックやヴィンテージなスタイルが好きな場合、ウッドやエレガントなカラーパレットが適しているかもしれません。
温かみのある色合いや装飾のある家具は、古き良き時代の雰囲気を再現できます。
また、自然なスタイルやボヘミアンスタイルを好む場合、アースカラーの家具や自然素材を取り入れると一体感のある空間を作ることができます。
ただし、配色自体も最終的には自分の好みであり、インテリアは自己表現の一環です。
好みやライフスタイルに合った家具選びが、長い時間を過ごす「家」のレイアウトにおいて、もっとも大切といえるでしょう。
家具の選び方は色も重視すべし
今回は、家具の色の選び方について解説してきました。
まず、1部屋に使う色は3色までに制限することが重要です。
色の過剰な組み合わせは部屋を混乱させる可能性があるため、シンプルに保つことが大事です。
また、床の色に合わせることも忘れずに。
床の色と調和する家具を選ぶことで、統一感が生まれます。
素材の特徴も活かして選ぶことをおすすめします。
木目や質感など、素材の魅力を引き出す色を選ぶことで、家具の存在感が増します。
最後に、自分が求めるスタイルに合った家具を選びましょう。
自分の好みやライフスタイルに合った色合いを選ぶことで、くつろぎの空間を演出できます。